介護のポジティブな要因について
2025年02月18日
報告(1):介護のポジティブな要因について
神経難病者の介護は、日常的なサポートだけでなく、医療的ケアも求められることが多いため、介護における負担感が大きくなります。その一方で、ご自宅で介護をする現場では、介護者がポジティブな感情を抱くことも少なくありません。医療福祉の専門職による介護者支援は、その負担感を軽減するだけでなく、ポジティブな側面を引き出すような支援も重要だと考えています。
今回、介護におけるポジティブな側面に着目し、神経難病者を介護している315名の方々に、ポジティブに感じることを書いていただき、それらをテキスト分析にて解析しました。
その結果は、「お互いを思う気持ち」「感謝の言葉」「生活に家族を感じる」「共に過ごす喜び」「学ぶ喜び」「病気の知識が深まる」という6つのポジティブと考えられる要素が抽出されました(下図参照)。

特に、「生活に家族を感じる」「共に過ごす喜び」については、患者とご家族の時間を共有することの価値が反映されており、共に自宅で過ごすだけでもポジティブな要因にもなり得るのかもしれません。
ある研究では、介護者同士の交流や、介護における良い経験を記録する「ポジティブ日記」の活用が有効であると報告されています。これらも参考にしながら、より良い介護環境を整えることを医療福祉専門職の役割の一つとして、支えることも大切であると改めて感じました。